筆跡

 春に3日の晴れはないと言いますが、花散らしの嵐、初夏のような暑さ、また逆戻りの寒さなど天下が目まぐるしく変わって右往左往する毎日です。この間の強風で私の家のサボテンは鉢から吹っ飛んでベランダに転がっていました。。慌てて鉢に戻したものの…まだ奥まで根付いていなかったから不安定だったのでしょう…かわいそうなことをしてしまいました…。


 この頃、筆遣いが変わったようです。求めている筆跡が少し変化しよりねっとりとした?絵の具の練り具合を求めているのでそれに合わせたいままでよりもハードなふでを選び始めました。画像で見るとそんなに作品に変化ないように感じられますが実物はよりデコボコ、ゴツゴツしてきました。よい意味でより私という作者が感じられる作品になってきているのではないでしょうか。


絵画における筆跡(筆致・タッチ)は、単なる色の塗り方以上の意味を持っています。それは画家の「呼吸」や「感情」がキャンバスに残された痕跡であり、作品の魂とも言える重要な要素です。筆跡を意識することで、絵画の鑑賞や制作がより深いものになります。


​画家の「署名」としての個性 が筆跡にはあります。指紋のように画家一人ひとりの個性を表します。ゴッホ のような力強くうねるような筆跡。モネ のような、光を捉えるための細かく速い筆跡。 これらは、誰が描いたかを物語る視覚的なサインです。これらは本当に大切なことです。また、モノの質感を表現するにも大切です。​絵具を厚く盛り上げる「インパスト」という技法を使うと、絵に物理的な凹凸が生まれます。これにより、光の当たり方で影ができ、平面の絵画に彫刻のような立体感や、岩のゴツゴツ感、布の柔らかさといった「質感」を与えることができます。


 今はデジタル化で絵画もAIを使って誰でも描ける?ようになりました。しかしデジタル画と手描には明確に差があります。デジタルにはない、この「実物の圧倒的な情報量」に触れたとき、私たちはその作品が「かつて誰かの手によって、ある時間と場所で生み出された」という事実を突きつけられます。その感覚をより持てる絵画を目指すことが私の使命だと感じます。また絵画を好きな人、わざわざ美術館やギャラリーに行ってまで鑑賞する人はその驚きや発見を知っている人達だと思います。