珍道中

 秋が来ないのではないかと疑っていましたが、いよいよ秋本番になりました。我が家の多肉植物のパキポディウム恵比寿大黒は急に吸水力が弱まりはじめ、これからは水やりに神経を使わないといけない時期です。水やりをし過ぎると根腐れを起こす危険があります。2年かけて3倍くらい大きくなった恵比寿大黒…来年春には初の植え替えが待っています。今から楽しみです。



 私の父はもう喜寿を過ぎました。心はまだまだ元気いっぱいですが身体が思うようにいかないことも増えて来ました。特に足が悪くなったなぁーと感じています。ですが行きたいところはそれなりにあって、美術館が結構好きなようです。



 先日そんな父と二人で東京国立近代美術館に行きました。戦中戦後の従軍画家の作品が多く所属されている美術館です。父が新聞の記事からここの企画展に興味を持ったようでした。その他にも近代美術館はたくさんの作品を所属しています。とても大きな美術館なので足は大丈夫かなぁ~?と思いましたが、私の立場としては行きたいところに行くのが一番だと考えています。



 タクシーを多用して2人だけでの珍道中。お約束のように電車を間違え、新宿からタクシーで近代美術館に到着です(本当なら東京からタクシーの予定)。美術館で車椅子をかりて「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」展をめぐりました。戦後80年にあわせ、館が所蔵する戦中戦後画やポスター、映像、、貴重な展示をゆっくりまわりました。あまり知られてないと思いますが「戦争記録画」は、戦後米軍に接収されたのち長らく米国で保管されていましたが、交渉の末1970年に「無期限貸与」という形で日本に「返還」されました。だから形的には米国からの借り物なのです。藤田嗣治、北川民次、中村研一…そうそうたる日本人画家が日本の為に描いた作品が借り物…なんとなく複雑です。



 1時間半以上かけじっくり鑑賞、お昼ごはんを食べて帰宅です。今度は間違えなく最寄り駅まで来られました。タクシーに乗って父帰宅。私も電車で帰宅。珍道中は無事に終わり、ホッと一息でした。父はこの猛暑で家から離れられずかなりの閉塞感があったようで思いのほかスッキリした顔になっていました。「久しぶりの東京は良いなあ~」との事。私も楽しくなりました。過ごしやすい時期になったからまたどこかに連れ出せたらと思います。