父のこと



 最近朝夕は涼しくなってきたように思います。エアコンもタイマー設定をして寝られるようになったし、セミの声が消えて秋の虫の声が聞こえ始めました。気持ちがスッキリ出来るようになりました。今年の都心は30度を下回る日がなかったそうです。そして、まだまだ日中は注意が必要です。



 私が好きな絵を描き続けていられた一番の要因は、両親の理解と援助です。美術大学に入れてくれ、その後もたくさんの応援をしてくれたのが両親です。普段はポンポンと遠慮なく言い合ったり、時には喧嘩するけれどやはり大切な存在です。母は少し前にガンを患いました。幸いにも医学の発達とお医者さんの適切な処置、母自身の頑張りで今はすっかり元気になって過ごしています。先日の定期検診も問題なくホッとしています。



 父はそんな母を支え私たち家族の精神的支柱です。その父が色々な面で医者にかかることが多くなっていました。そんな中で今回は脊柱菅狭窄症の治療のために手術を受けることになりました。脊柱菅狭窄症は脊柱が年齢と共に脆くなったりずれたりして神経を圧迫する病です。人間の脊柱ははたちをピークにだんだん衰えていくものだそうで誰でも年をとって背が低くなるのも脊柱が潰れていくからだそうです。これが垂直につぶれていくのなら良いのですが、脊柱菅狭窄症はずれて潰れていくため神経の流れを塞き止めて痛みを生みます。



 父は数年前から腰に痛みがあって脊柱菅狭窄症の改善のために整形外科に行って運動をしたりしていました。最近はブロック注射も試したりしていました。しかしやはり本人もあまり改善せずに悩んでいたようです。自分でネットから脊柱菅狭窄症の専門医のいる病院を探し見てもらい相談の上手術することになりました。父にとっては生まれてはじめての入院と手術ということでしたが本人は即決して手術ということになりました。父は我慢強い人なので、よほど腰が辛かったのだと思います。



 私は母の事も含めて出来る限りのサポートをしたいと思っています。歩くことが大好きで、若い頃からマラソンやウォーキング大会に参加していた父です。その楽しみがなくなってしまうのはとても辛いのだと思います。



 今日、三浦雄一郎さんが90歳で富士山の登頂に成功したというニュースがありました。持病のために登山用の車椅子を使って家族のサポートがあっての登頂だそうです。それでも山に上ることをやめたくないという本人の強い気持ちがあったのだと思います。父にとっては三浦さんの登山と同じくらい歩くこと散歩することが大切なものなのだと思います。手術がうまく行って今よりも少しでも楽しそうに散歩できる体になることを私も心から願っています。