連日の強風のお陰で桜はすっかり花を落とし葉桜の季節になりました。新緑もみずみずしくとてもきれいです。ハナミズキやモッコウバラ、ツツジに藤の花とGWの頃に咲く花たちもだんだんと存在感を増してきました。先日私が講師を勤める水彩画サークルでも外スケッチの話が出ました。コロナでずっと行けなかったのですが今年こそは!と皆さんうきうきしています。



 今、水彩画サークルでは模写の授業をしています。普段の静物画と違って気分転換にもなるようで皆さん楽しそうです。主にルノアールやユトリロなど近代画家の作品を模倣しています。そのなかで受講者の方からこんな質問を受けました。「黒は使ってはいけないのですか」という質問です。なんだか日本では間違った(ネジくれた?)観念が流れることが多いようです。アート以外でも、これをやっちゃいけないあれをやらなくちゃいけないと論拠なくはびこる習慣が多いように思います。



 黒を使わないのは印象派の画家たちが議論した主張です。光のなか(プリズム)には黒が存在しないから黒を使ってはいけないというものです。(*`・ω・)ゞがこれもすべての印象派の画家たちが主張していたものではありませんし、ましてや印象派は遠い昔の一部のアート派閥です。今の世の中でそれを守る必要などありません。



 私はもちろん黒も白も使います。また当時なかった色(発光色やオーロラ色)も使います。自由な表現世界に、表現を縛る必要はないと思うのです。重要なのは表現したいことを作品にどう描くか、描けるように道具や技術を工夫するかなのだと思います。細く鋭い線を描きたいのに筆が硬い大きなものしかない。漆の茶碗の美しい黒を表現したいのに黒が使えない...。そんなの悲しすぎますね。