唯一無二



 昨日今日ほど気象予報士の方々が肩身の狭い思いをした日々はないのではないでしょうか?特に今日は朝から雨と風と寒さがやって来て完全に冬の寒波です。今になってやっと日が出てきたけれど寒さは相変わらず、時おりバラバラと大粒の雨が落ちてきます。桜も凍えていました。この前ニュースで2100年には桜が日本で見られなくなるといっていました。ある程度の寒暖差がないと桜は花を咲かせる準備ができず花を咲かせられないのだそうです。温暖化でそんなことになってしまうかもしれないとは...。本当に最近の気象を見ていると劇的に変わってきていてとても危険な状態にあると考えてしまいます。



 以前からブログで書いていますが、今ロシア文学の名著を読んでいます。といってもゆっくりなのでまだドストエフスキーとトルストイを少しかじっただけです(笑)。今読んでいるのは「死の家の記憶」というドストエフスキー作品です。監獄にいたある貴族の話です。彼が死んだあと残された手記を読者が見ているような手法でかかれています。これを読んでいると、今まで読んで新鮮味を感じていた小説家もこの手法を模倣していたのかなあ~とか考えて、全く新しい手法を作るのは現代では相当難しいだろうなあ~と思います。この時代にもう完成されたスタイルで時代を越えたエンターテイメントがあるということに驚きを感じます。



 それは何も文学に限らず、音楽や美術の分野もそうです。ある意味出尽くされてしまった感があるのは否めません。新しい音、新しい技術、新しい素材に新しい色...それを産み出すのは本当に難しい事です。不可能だという諦めもあります。ですが希望はあります。作家は画家は唯一無二の存在だということです。この時代この場所にいる私という存在は無二でその私がそこで描く作品もこれしかないということです。生まれ変わりがもしあったとしても、そこにいるのは私ではないのです。その希望、その喜びを噛み締めて作品を描いていきたいと思っています。