読書



 梅の花が咲き始めて、色のなかった風景が少しずつ華やいできました。朝、起きてみる金星も少し高い位置になって、薄明かりの中で輝いています。寒さももう少し我慢すれば和らぐのでしょうか?もう少し寒さが続くのでしょうか?春が待ち遠しい今日この頃です。



 以前このブログでも書かせていただいたように、時代小説で昔の絵師についての話を読んでいます。今読んでいるのは「等伯」安部龍太郎さんの描いた作品です。等伯は言わずと知れた長谷川等伯のことです。安土桃山時代に活躍した絵師です。この時代、世間では狩野永徳を中心とした狩野派が主流でした。金箔を大胆に使い絢爛豪華な画風は信長や秀吉の趣味嗜好と合っていたのでしょう。



 ですが人には色々な側面があります。豪華なものを好んでいると思われている信長たちもまたそうです。彼らは千利休を重用しました。わびさびという豪華とは相反するものも彼らは愛したようです。そんな千利休と長谷川等伯は親しく通じていました。彼の作品からにじみ出る人間性が千利休には心地よかったのかもしれません。



 永徳を主役にした小説「花鳥の夢」(山本兼一著)と「等伯」を比べながら読んでいると作家の解釈で少し(ずいぶん?)人物像が変わってくるので興味深いです。本は息抜き、ですがやっぱり絵画に関係した本を読んでしまうのは私の本能でしょうか...(*´∇`)