東京庭園美術館


 この美術館は旧皇族であられた朝香宮の自宅として建てられた邸宅です。美術館として開館し、様々なジャンルの展覧会を行っています。この美術館の特徴はなんといってもアールデコ様式の建築です。アールデコ様式は1919年からフランスを中心にヨーロッパで流行した様式で建築・服飾・絵画など多伎におよんだ様式です。



 今回の展示は「キューガーデン・英国王室が愛した花々」というものです。ボタニカルアートの歴史を展示した美術館にぴったりの展示内容でした。キューガーデンはイギリスにある世界最大級の温室です。ここにはボタニカルアートの作品群がたくさん所蔵されています。その一部を展示した展示会です(一部といってもかなりの量でした...)。展示されていた水彩画と一緒にアールデコの美しいシャンデリア、ガラス戸、壁に天井...作品と建物が一体化したとても居心地のよい空間が作られていました。とても優雅な気持ちになれた気がします(*´∇`)。



 ボタニカルアートは最初から芸術として描かれたわけではありません。最初は植物の標本を作るために描かれたのです。今で言う植物図鑑の写真というところでしょうか?ですが写真よりももっと色々なことを説明しているのがこのボタニカルアートです。ひとつの絵の中にその植物の葉が芽吹き枯れるまでの行程を表したり葉の裏表の違い根のつき方、実のなり方まで全てが内包されているのです。顕微鏡のような作家の目を感じました。ボタニカルアートに取り組むプロの真摯な姿を感じました。



 まだまだコロナの影響で予約や検温が必要な状態、ですがそれでも芸術の秋です!色々な展示を楽しめる時期になったなあ~と感じています。