油断せず



 昨日から殺人的な暑さが続いています。朝アトリエに向かう道すがら救急車のサイレンを聞く機会が増えて、熱中症かコロナウイルスかとちょっとビクビクしてしまう昨今です。幸いにも私の回りではどちらもかかった人がいないで済んでいますが、ことコロナに関してはかかった方への差別的な言動も多いようです。



 昔から伝染病、感染症の流行で人々が患った方を村八分的な扱いをすることは多かったようです。まだまだウイルスの存在すら知られていなかった時分、未知のものに対する恐怖はいかほどだったのでしょうか。麻疹、コロリ、風疹、天然痘...病気からくる差別のほかに肉体的精神的な特徴を差別する気持ちも当時は多かったと思います。今は使っていけない差別は用語も多かったようです。昔の小説や映画に触れると意味がわからずあとで調べると差別用語だったということはままあります。



 私に振り替えっていえば、私は左利きです。小さな時はぎっちょといわれていましたし、自分でもぎっちょだと言っていました。ですからぎっちょという言葉に差別的意味合いがあるなんて大人になるまで全く知りませんでした。今は厳密に禁止されそのせいで使っちゃいけないんだということは理解しました。ですがそんな用語が生まれるほど左利きが悪いことであるという認識はいまもありません。左利きに対する理解が一般的に広まったお陰だと思います。



 コロリ差別も最初の人々の認識が良くなかっただけだと思います。今や誰がなってもおかしくはない事態、差別もなくなっていくだろう。なくなっていくべきだと思います。コロナに油断せず、かかった人を排除せずあるがままに受け入れる...そんな心を持っていたいと思います。