アルコールと画家Ⅱ

 アルコールは作品制作にインスピレーションを与える。麻薬によって美の神様が舞い降りてくる。そんな幻想を描いて依存症になるアーティスト(画家に限らずミュージシャン、俳優も含め)は昔から多かったようです。良からぬことを考える人がアーティストのまわりに集まってくるという環境が出来上がっていたこともあったようです。ロートレックは酒場の女たちを描きました。そして自らも強い酒を飲んだために親を残して亡くなりました。幻覚と梅毒で悲しい最期をむかえました...ヽ(´Д`;)ノ

 抽象画の巨匠・ジャクソンポロックもそんな画家の一人です。私は学生時代、写真ではじめて彼の肖像を見たときにその渋い顔に惹かれ色々と調べたことがありました。そして調べれば調べるほど寂しくなりました。彼はその独自な画風を得るために酒を飲み、その作風の行き詰まりを打破するために酒を飲んだような気がします。


 具象から抽象へ作風を変えるために「無意識の意識の解放」を望んだポロックはドロッピングという手段で一躍有名になります。しかし絵の具を飛ばしその偶然(無意識)の痕跡で作り上げることも技術でコントロール出来るようになってしまいました。誰もやったことがない画風で進化し続けなくてはいけないプレッシャーで酒を煽り続けたポロックは飲酒運転で事故死してしまいました。

 こうやって色々みていくと、酒も薬も人の一生を大きく変える劇薬だということは間違いない。それはアーティストばかりのことではなく一般社会の中でも同じことです。楽しいうちはいいけれど、気付かない間に深刻な問題になることもしばしば...ヽ(´Д`;)ノ。問題なのは自分だけの問題でなくまわりにまで影響が出てくるということです。ロートレックは最期錯乱状態で父親に「馬鹿な年寄りめ!」といったとか?依存症になった人の最期が幸せな終わり方をした話を聞いたことがないなあ...と思うと寂しいですね。