「日本の洋画界七十年の歴史」には政治と美術の関わりについても書かれています。岡田啓介内閣の時、文相の松田源治が断行した松田改組という動きがあります。美術会は官野のに二分されていたこの時代に従来の官制(帝展)に在野の団体および美術家をいれようという動きでした。
ですが因縁の深く歴史も長い両者を統一するのは至難の技、苦労は多かったようです。日本画の重鎮で在野の横山大観を帝院に入るように説得し、これでなんとか円滑に運ぶか?と思われたのですがそうはいきません。京都日本画壇はまだよしとして、洋画、彫刻は大荒れ、分裂、離反、大混乱になったようです。
私は、画壇に属したことがないのでよく実感がつかめないのですが、読んでいると人間関係がぐちゃぐちゃになってまさに政治の党や会派のいざこざと一緒です。人間どこの世界でも同じなのかなあ~と感じました。
今も続く、独立展や国画展、一水会など様々な会がこの時代できたんだなあ~と興味深いです。