図書館で見つけた一冊の本「日本の洋画界七十年の歴史」を読み始めました。日動画廊の創始者・長谷川仁の一代記のようです。日動画廊の創立七十年に会わせて作られた本のようです。なぜコアな本が図書館にあるのか不思議です。
まだ第一章を読んだところです。分厚い本なので内容を忘れないように覚書をと思ってブログに書いています。長谷川仁(敬称略)は牧師になるためのミッションスクールに通い聖学院を出ました。卒業してから牧師として横浜のYMCAの宿泊所に勤めたりしました。その後美大生だった知人の弟に日本に洋画商がまだないことや稼ぐことができる仕事だということを聞いて、やってみることにしたのだそうです。
実際にはすでに三人の洋画商がいましたが、まだまだいまで言うような画商・画廊の形にはなっていなかったようです。長谷川仁は前述の弟の絵を持って横浜で行商を行いました。絵は一枚十円、額に二円かかり残りの八円を二人で折半したということです。それは長谷川一家の1週間の生活費になりました。
横浜のつてを頼ってぼつぼつと売っているうちに、会場を借りて企画展をするようになりました。画家も何人か集まりました。猪熊弦一郎、島野重之など美大卒業後すぐの若い画家です。顧客も出来ました。横浜の財政界の有力者が会場を提供してくれました。
そして店舗を持つと言う夢も出来ました。折よく多摩川園の展示で知り合った日本動産火災保険会社社長粟津清亮に今のビルの一階を勧められそこに居を移すことになったとのことです。画壇に無知でただただつてと努力で日動画廊が生まれた...一章はそこまでの道のりを綴っています。
さらにどんなものがたりが続くのか?少しずつ読み進めたいと思いました。