マネによるオマージュ

 マネについて資料作りをしています。毎年公民館で模写をして絵画作品を読み解くという講座を行っています。今年でもう5回目、、、モナリザ、モネ、フェルメール、藤田嗣治ときて今回はマネです。

 学校の教科書に必ず載っている[草上の昼食]マネの代表作のひとつで、当時最もスキャンダラスな作品として評価されました。いわく、「なぜ裸の女性がピクニックをしているのか」「なぜこんなにも立体的でない描き方をするのか」破廉恥だ!破廉恥だ!というわけです。伝統を蔑ろにした作品として酷評されました。ではこの作品と見比べるとどうでしょうか?

 ライモンディの描いた[パリスの審判]の一部と全体です。構図はもうそのままそっくり使われています。それを当時の流行と照らし合わせて描いたというわけです。私は彼は人一倍古典を尊重し、自身の絵画世界に反映した画家だと思っています。温故知新という言葉通りに。だからこそ今もその作品を歴史に残し、私たちの目を楽しませ続けるのだと思います。