道具の魔力

 昨日に引き続き道具の重要性についてですが、私はカルチャー講座の他、御高齢の方々が作っているサークルでも絵を教えています。普段は水彩画をメインに制作しているサークルですが、先日デッサン月間と称してデッサンの基本を講義しました。
 デッサンは、最低限鉛筆と消しゴムと紙があればできます。しかし、突き詰めて道具を吟味していくととても奥深いものです。鉛筆にはB系とH系があります。その他にHB、Fもあります。…6B〜F〜6H…といくに従い濃い〜薄いになっていくというのは広く知られていますが比例してボソボソ〜ツルツルと画用紙にのっかる質感も変化します。また、粉にして使ったり何回も消したり描いたりすることでも質感が変わります。

 また鉛筆のメーカーによって色味が違います。黒に色?黒は黒では?と考えると思いますが、ステッドラー、ユニ、スタビロ、、、鉛の産地の差でしょうか加工工程の差でしょうか青みがかった鉛色、茶色がかった鉛色、と言った感じでちょっとづつ違います。私は青みがかったものが好みで主にステッドラーを使っています。木の部分の硬さもユニは柔らかく、ステッドラーはちょっと硬めと差があります。

 消しゴムもトンボ、ぺんてる、サクラクレパス、、、色んな所から出ています。練りゴムも然り。道具が変わると作品は劇的に変わります。受講された皆さん、「あら、こんな違うの」と驚かれていました。どれが正解とかはありませんがその違いを意識するとしないでは作品に対する意識が変わると感じています。

※作品は、その時一緒に描いたデッサンです。