道具の魔力

 良い道具を使うと良い絵が描ける…一概にそうとは言い切れないかもしれませんが、私は一理あると思っています。今日、カルチャーを受講されている方にそう言われ改めて感じました。
 「先生に勧められた筆を使っていたらもう他の筆使えなくなっちゃいました。」ということを言われました。コリンスキーという動物の毛を使った水彩筆で、一番小さなものでも2000円を超えます。ナイロンなどの合成物とは比べ物にならない値段です。そしてクオリティも。その方は「もう一本買おうかなあ〜」と言っていました。

 天然の毛を使った筆はこれからどんどん高くなるか廃番になると思っています。自然保護の観点からもイタチ、テン、マングース…などの毛は取りにくくなるだろうし、メーカーの方でも安価で使いやすいナイロンを作るようになってきているのは確かなようです。

 でもこの方のように、プロの絵描きでなくともその使い心地の差がわかるほど違います。まして、作家活動を生業にしているものにとって、道具の使い勝手は死活問題です。私もそのことを浪人時代に実感しています。(詳しくは明日)どんな事があっても、決めの一手には欠かせない筆というものが私にはあります。願わくは、この筆が廃番にならないようにと思います。

※作品は今日のカルチャーで描いた水彩スケッチです。