描く所、残す所

 私にとって、水彩画は紙の白をいかに残すか?が重要なことになってきます。描きこんで全く白い所がなくなってしまうような描き方をする方もいるようですが、私は、紙の白を大切にしたいと思っています。
 猫の毛並みや顔をタップリ描き込んでいますが、毛並みの中でも全く描かず、背景の白とつなげているところも作ります。ガッチリさせてしまうと固く、息継ぎができない絵になってしまうように思うからです。人もそうですが、あんまり隙のないものはちょっと緊張して構えてしまうのではないでしょうか。私は、作品を見てホッとしたり安らかになって欲しいと思っているので、わざと抜けた場所を作るようにしています。

 この猫の作品もそうです。猫がこちらをすっと見つめているので、見ているこちら側に緊張感が出ては面白くありません。ですから抜きが必要なのです。どの辺をどう抜くか?それが難しいのですが…^_^