説明でない描写

 最近ずっと描いている水彩画を通して感じたことがあります。それは描写が説明になってはいけないということです。
 例えば、細密画のジャンルの一つにボタニカルアートというものがあります。歴史は古く、植物図鑑を描く細密画から派生し、アートの一分野となりました。昔は、写真もなかったし、食ぶとや昆虫の図鑑を作るときにそのものを説明するため、本当に精密な花や甲虫が描かれました。

 でもそれは、アートではないと思うのです。それは説明画であり、アートではないのです。(もちろん図鑑のための絵は説明画で良いのです。)アート、絵画作品は説明をする以上に伝えなければいけない大切なことがあると思うのです。

 私は水彩画を描くことでそれを改めて学びました。その意味をもっと意識して油彩画も水彩画も描いていこうと思います。