客観的な眼。

 作品とずっと向き合っていると、作品と私の間がとても近くなってきます。私の分身、子どもそんな感覚になって客観性を失いかけてしまうのです。そういう時は一度キャンバスから離れる事が必要でキャンバスを裏返しにして冷却期間を作ります。特に大きな作品はそれを行います。
 そしてまた表に返してそれで完成したなぁと思えばその作品は私の意思と合致した物だったということになりますが、そうでないこともしばしばあります。描いていた時の感覚とながめ返した時の感覚が変わったということでもあるわけです。より客観的な眼を持てたのです。

 この桜の作品もそうでした。1ヶ月くらい期間をおいてみたのですが思い切って手を入れ直しています。私は描き加えたり、消したりすることにあまり躊躇しない方です。だからこう行った行為ができます。今回はタオルに絵の具をつけて画面に色と質感をつくり直しました。もちろんこのままではなくもっと手を入れますが、、確実に前よりよくなったと自負しています。

※作品はP30号(910×606mm)です。