画題選び

 色々なものを描き続けている私ですが、一貫しているのは物の生命感とそのきらめきを描きたいということです。一見見落としがちな小さな命やいつも見ていてその存在を忘れていた物にもう一度目を向けて生き生きと描きたいと思っています。
 そのためには、私自身がゼロである必要がある気がします。空っぽの器でないといけない気がします。そこにある全てのことをこぼさずに乗っけるために。そしてスポンジのように全てを吸収するために。だから一貫した画題を立てずあるがままを描いているのです。
  自然を全て受け止める…それを体現なさっている方、それが入江一子先生だと思います。いえ一子先生だけではありません。片岡球子先生、堀文子先生、、女子美には尊敬すべきたくさんの素晴らしい先輩方がいらっしゃいます。私は、まだまだ未熟で自然を恐れることもたくさんあって全てを受け止めきれていません…。そんな私は、絵を描きます。描くことで少しでも自然と、またキャンバスと対話して生きて行きたいのです。

※作品は「明月院ブルー」SM(227×158mm)です。