少しずつ、少しずつ

 暑いですから、作品の中に清涼感が出たらいいなあと思いながら大きな作品に挑んでいます。温かみのある色が出てきたかなと思い今日はまたどしどしと描き進めているところです。
 一度消えてしまった船影をもう一度描きなおしたり、また手前と奥の波の違いを表現したり、調子を整えたりしながらの作業です。私は基本的に描きこんでは、整えながら一旦消し、また再度描き込むということを繰り返して一枚の作品を作ります。描いた層と整えた層がミルフィーユのケーキ状に重なってだんだん色に透明感が生まれるを好むからです。

 油絵の具の魅力は絵の具を盛り上げるような質感と、私のように透明感のある質感があると思います。私は空気の層、温度、湿度を絵から感じてもらいたい…そのために後者の油絵の具の魅力を主に作品を追求していきたいと思っているのです。

 ※作品はS50号(1000×1000mm)です。