四季折々の色シリーズ、10月に尋ねた場所は根府川付近にあるきのこ苑でした。ここは自然薯、ブルーベリーなど、土があまり肥沃でなくても育つ作物が作られていました。その一つがしいたけです。森とともに暮らす文化が根付いているのです。
椎の木に菌を付けて、養殖されたしいたけを描きました。たくさん立てかけられた木の間から木漏れ日がさして、なんだか日向ぼっこをしているようなしいたけです。ぽこぽことかわいらしくてキノコの精のようにも感じられました。
私はこんな風に育っているしいたけを見るのが初めてでした。肉厚で形の良いキノコ…もちろん後でたくさんいただきました((笑))
ともに描いたのは、森の中で採集した松ぼっくり、ハチの巣、枯れ枝です。からからに乾いた植物は一見すると死んでしまったものに見えるかもしれません。しかしそれらは次の生命を育む源になっていくわけです。
葉は肥料になり、松ぼっくりは松の種をもっています。こうして長い冬を超えて、新たな生命が生まれます。
※上は『生まれいずる処・10月』(きのこ苑お山の大将・小田原市根府川)F3号(22.0×27.3㎝)油絵
下は『紅葉狩り(松ぼっくり)』0号(14.0×18.0㎝)油絵
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