女性美の変化

 古代ギリシャから現代まで、美術という分野で最も重要視されたことは「美」という価値観だろうと思います。真に美しいものはなんだろう?という理想美の追求です。

 この3点は、場所も時代も全く違うところで制作されました。有名な作品です。3点とも女性美というものを描きだそうという意図で作られています。一番左の作品は今でいうメタボリック症候群的な体型の女神です。当時は食料があまり豊かではなく、いかに飢えをしのぐかという時代でした。たくさん食べられる力を持った太った女性が理想となっていたのでしょう。真ん中の作品は、半裸の女神です。この時代、人間の裸体を描いたり作ったりすることはタブーでした。しかし殿方にはそういった意味での欲望があります。人間ではない存在、神であれば裸体表現が許されたようです。ですから当時の男性にとって最も美しいとされる肉体が制作されました。これも少し筋肉質で豊満すぎな感じがします。右端は、日本人が求めていた美の形ですが今の美の価値観とはかけ離れているなあと感じます。うりざね顔、細い目、まっすぐでつややかな髪、真白い肌、、、そしてやはり豊満な肉体があったようです。

 

 今でも、発展途上国と言われる国では豊満な肉体を持った女性が魅力的だと捉えられています。逆に、先進国の女性はどんどん痩せていっているようです。太る=自己コントロールのできない人という観点なのでしょう。アメリカなどでは太った人はそれだけで要職につけないようです。