トリックアートいろいろ

 きのうブログで書いたように、トリックアートから絵に関心を持った私は今もそのようなジャンルの作品が大好きです。中でも直接私の作品に影響があったものは、ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻像」です。

 知ってる方も多くいらっしゃると思います。若い男女の婚姻の様子を描いた作品です。画家自身もこの作品に渾身の力を使ったようです。背景の壁には「ヤン・ファン・エイクここにありき。」の文字があります。

 

 油絵という技法が生まれた初期の作品ですが、保存状態がとてもよく、いまだに宝石のような油絵のきらめきが魅力的です。床には愛玩用の子犬がいます。犬は忠誠の寓意です。あわせて、当時貴重だった、窓辺のオレンジは裕福な財力を表しています。

 

 しかし私が素晴らしいと思ったのは、画面の中心にある鏡です。日本人にとっては珍しい形の鏡です。周囲に聖書の場面が10枚描かれています。そして鏡の中には・・・?

 

 当然のごとく若き夫婦の後ろ姿、そしてなんとその奥に作家自身の立像も描かれているのです!初めて見た時その精巧さ、緻密さに鳥肌が立ちました(@0@)少し怖いけれど、、、今でも大好きな作品です。