「奇想の系譜」について書いて、改めてこの亜流画家たちについて見直してみました。曽我蕭白、伊東若冲、岩佐又兵衛、、、、彼らはどうしてこんな作風になっていったのだろうと思ったのです。
その一番手として曽我蕭白について。この間NHKでも彼についての番組がありましたが、見れば見るほど奇妙な魅力に富んだ絵師です。彼の作風は、現在漫画の世界で生かされているような気がします。何も美術を知らない人でも彼の絵から「ゲゲゲの~」とか「まこと~」とかの恐怖漫画を連想することはそう難しくないと思いました。
蕭白は、京都生まれです。商家の生まれだといわれていますがその生涯に謎の多い人です。彼は円山応挙をとても意識していました。当時京で、人気絵師だった円山応挙の作品は、子どもにしても狛犬にしてもとても親しみやすく、技術的にも表現も卓越していました。負けず嫌いな蕭白はそれが面白くなかったのでしょう、「画が欲しいなら自分に頼み、絵図が欲しいなら円山主水(応挙)が良いだろう」と語ったということです。
写真は、円山応挙の作品です。誰もがにっこりほほ笑むかわいらしい作品です。描写力にも優れ、朝顔の色の移り変わり方、葉脈の繊細な描かれ方にハッとさせられます。大衆に目を向け成功している応挙に、蕭白が嫉妬したのだろうと思います。でも、性格的にそれを認めたくなかった。。そんな姿を想像してしまいました。
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