何もかもが香山

 宮川香山展の衝撃が異様に強かったようです。今日アトリエに行く途中で見た景色、木々の移ろい、全てが香山の作品の異様な雰囲気を醸し出している気がしてなりません。香山は、ちょっと前まで忘れられた存在でした。しかし最近、美術の世界では、亜流と呼ばれる作家を再評価する流れが生まれています。一見グロいとか気持ち悪いと感じる作品の価値が認められてきています。
 その、発端となった評論がこれではないかと私は考えています。辻 惟雄さんの書かれた、「奇想の系譜」です。異形を多く描き、いわゆるアウトローの画家たちを取り上げている当時としてはとても珍しい本でした。岩佐又兵衛ー歌川国芳にかけての亜流絵画の流れを系統立てて解説しています。

 この本がきっかけで、今では曾我蕭白や、伊藤若冲、そして今回の宮川香山も大変話題になっているような感じがします。

 正直にいって、彼らの作品は鑑賞することにとてもエネルギーを消費します(~_~;)しかし、一度見たら忘れられない印象を私に残してくれます。良い作品かどうか、私にはわかりません。好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。しかし私はこういった作品を描く彼らの独創力に同じ道を歩いて行きたいものとして敬意を称したいと思います。

※作品は左から、曾我蕭白、伊藤若冲、歌川国芳、岩佐又兵衛です。
そして下の段は私が今日香山の作品を連想した植物です。