画溶液(溶き油)・樹脂

 私は溶き油に使用していませんが、樹脂を混ぜて描画されている作家さんもいらっしゃいます。乾きが早くなりますし、独特の透明感と光沢が生まれます。

 一番使われているものが、ダンマル樹脂というものです。樹脂は木の幹を傷つけて採取する樹液のことです。またそこに住む昆虫の体液を使うこともあります。ダンマル樹脂は、スマトラ島で多くとられます。樹脂は固まると透明な塊になります。見た目はまるで琥珀のようにはちみつ色の透明な塊です。

 

 画材屋では、これをテレピンに溶かしたものが瓶で売られています。また塊のまま売られてもいます。当然塊のものは自分で溶かさなければいけません。ですが、その分安価です(笑)溶かし方は簡単です。使わなくなったストッキングに入れて、テレピンの入った瓶の口につるします。そのまま置いておけば溶けます。ゴミなどの不純物はストッキング内に残ります。自家製ダンマルの出来上がりです。

 

 

 樹脂はこのほかに、マスチック樹脂(ギリシャ諸島で採取します、ダンマル樹脂より高価です。)コパール樹脂(コンゴ、マニラ島で採取されます。テレピンあぶらに溶けにくいです。)などありますが、私は使ったことがありません。ダンマル樹脂も使いません。予備校時代、大学時代は少量使っていましたが、べたつく感じがあまり好きになれずにいます。黄変しやすくなるとも聞きましたが、私はそれが気になるタイプの作品ではないので定かではありません(白っぽい、淡い色の作品だったら気になるかも?です。)

 

 これも、これが良い悪いはありません。絵具選びと同じで好みだったり、作品タイプによって変わってくるものだと思います。画溶液を変えたことで作品が一変することもあります。私も少しでも自分に合ったものを使えるように少しずつ研究している最中です。