画溶液(溶き油)について・乾性油

 2つ目の油は、乾性油と呼ばれるものです。これが溶き油の一番重要な屋台骨となる油です。油絵具は水彩と違い空気の中で酸化して、乾きます。水のように蒸発はしません。酸化する性質を持った油が乾性油になるわけです。亜麻仁油、ひまわり油、芥子油など様々ありますが、制作に使われるのは亜麻仁油です。リンシード油とも呼ばれます。亜麻という草の種子からとられる油です。茎の繊維はリネン製品にもなります。油絵で最もポピュラーなオイルです。

「亜麻色の髪の乙女(ドヴュッシー作)」という曲もありますね(^^)同じタイトルのヴィレッジ・シンガーズの曲もあります。

 

 亜麻は古代から暮らしの中で使われてきた植物です。食用にも、衣類としてもひとの文化を作る一役を担っていたようです。油絵もそんな人間の営みから生まれました。娯楽や情報の少なかった時代に、今よりも生活と絵画が密接だったのかもしれません。そう思うと少しうらやましく感じますし、自分も少しはその文化の継承者になっているのかなと思うと心がほっくりします。





※写真はケーラーの薬用植物より引用。